エヌ・ティ・ティ・メディアサプライ株式会社(代表取締役社長:高橋寛、以下、NTTメディアサプライ)は、西日本電信電話株式会社名古屋支店と共同で、豊田市立浄水中学校(校長:片桐常夫、以下、浄水中学校)及び豊田市教育委員会と、VR技術を活用した新たな学校教育モデルの創出を行い、研究授業として発表を行いました。また、VR動画の制作は株式会社360Channel(代表取締役社長:中島健登、以下、360Channel)が担当しました。
1.背景
教育分野でのICT利用は進んでいるものの、質の高い教材(コンテンツ・アプリケーション)が不足しており、生徒の資質・能力の育成に資する教材開発が課題となっています※1。また、次期学習指導要領※2では、一方的な知識取得のための学習ではなく、討論や発表を通じた「主体的・対話的で深い学び」いわゆるアクティブラーニングの視点からの授業改善が必要になります。
NTTメディアサプライは平成24年度より、公衆無線LANの普及促進を行っており、地域社会の課題解決に貢献できるようVR等映像コンテンツ事業を新たに検討してきました。また、浄水中学校は、「主体的に行動できる子どもの育成をめざした地域ぐるみの教育」を目標に掲げ、ICT機器を活用した「主体的に学習に取組み、わかる授業」をめざされています。
今回、VR技術の教育分野への応用による生徒の取組姿勢(主体性)の変化や探究的な学習による習熟度の効果測定を行いたいという両者の思いが合致し、取組みが実現しました。
※1 文部科学省 「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇親会」最終まとめ
※2 文部科学省 学習指導要領「生きる力」
2.実施日時・場所・対象教科
①日時: 平成29年9月27日(水) 11:15~12:00 (「豊田市版コミュニティ・スクール 研究発表会」内)
②場所: 愛知県豊田市立浄水中学校
③教科: 社会科 地理的分野
3.VR技術を活用した授業内容
【事前】
アジア州(フィリピン・中国・マレーシア)のVR映像を撮影
(特徴的な建造物、商店街、民家、衣装、農産物等を撮影)
【当日】
① 教諭が生徒(グループ単位)に対して複数あるVR動画の内1つを閲覧指示
② VRゴーグルで閲覧する動画をリアルタイムにプロジェクタへ投影、班全員で共有
③ 班全員で閲覧した動画がどこの国か、どういった根拠で判断したかを相談
④ 各班の回答をタブレットで一括表示し共有
⑤ 教諭による回答、どこで判断できるのか動画を見ながら振り返り
4.授業の結果と考察
【教育委員会・教諭から見た視点】※実施後のヒアリングより
「まるで現地に行っているかのような体験」をさせることで、例えば、社会科が苦手な生徒に対する導入部に使うなど学習に対して興味・関心を引き立て、主体的な取り組みを促す効果がある。また、静止画からは得られない臨場感のある動画を視覚的に見ることによって、単元として生徒の記憶に残りやすく習熟効果が高いと感じた。
【生徒から見た視点】※実施後のアンケート調査より
全員が「楽しく、前向きに授業に取り組めた」と回答しており、再び同様の授業があった場合に積極的に受けてみたいという割合も9割超となった。「紙の資料では伝わらない雰囲気が伝わり記憶に残る」と回答した生徒もいたことから、一定の学習効果があったのではと推測される。
別紙_授業の様子
5.今後の展開
NTTメディアサプライは、本取組みで得られた知見を活かし、教育向けVR事業を積極展開するとともに、VR技術を活用して観光促進等、地域社会の活性化に寄与してまいります。
本件に関するお問合せ
NTTメディアサプライ 企画部 三宅、佐々木、虻江
06-4709-0111
9時~17時(土曜・日曜祝日・年末年始を除く)
審査 MS広17-047
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